・「ちゃんと考えた?」と周りの人に言われたことがある人
・考えているのに、「考えが浅い」と周りの人に思われる人
クライアント先の社長に「大丈夫?」とコンサルタントとして失格を意味する言葉を伝えられた経験から、22年間コンサルタントとして貯めてきた知見がこの本の内容になっています。
そのため、抽象的な内容ではなく、これからの生活にすぐに活用することができる具体的かつ実践的な内容となっています。
いくつか、ビジネス書を読んできましたが、この本は私のこれからのバイブス本になること間違いないと言えるほど、頭のいい人の本質に触れています。
また、著者が書籍の冒頭で「この本は読み返すことがないように執筆した」というように、初心者でも非常に読み切りやすい内容となっています。
頭のいい人の黄金法則(マインド)と深く考える思考法(道具)の二部構成となっています。
時間がない人は、深く考える思考法だけでもお読みいただけると、とても勉強になると思います。
黄金法則で参考になったこと
黄金法則とは、マインド(話す前の心構え)が記載されています。
頭のいい人と、そうではない人の大きな違いの一つがこのマインドになります。
マインドを知ったからといって急激に頭が良くなることはありませんが、「頭のいい人だったらきっとこんなふうに思いながら話をするだろうな」と少し思考を深めて話をすることができるようになります。
黄金法則は全部で7つありますが、その中でもおすすめの2つを紹介します。
①とにかく反応しないこと
反応しない=怒らないことです。
反応(怒る)をしてしまうと人間は脳で考えられなくなり、バカになってしまいます。
なぜなら、私たち人間は「今日のご飯は何にしようかな?」「おやすみには何をしようかな?」など物事を考えるときは前頭葉で考えます。
前頭葉で考え出すまでには6秒の時間が必要になります。
「たった6秒?」と思いがちですが、頭に血が昇るとこの6秒を待つことがとっても長く感じるはずです。
僕自身も過去に怒り任せに話を返したことがありますが、理性ではなく本能のままに言葉を発していた記憶があります。
つまり、どんなに頭に来ることがあっても6秒待つこと。
これだけで、話が悪い方向にいくことを防ぐことができます。
②頭の良さは他人が決めること
人の頭の良さって何で決るかご存知ですか?
「頭の良さ=勉強ができる」や「偏差値が高い人」と勘違いしていないでしょうか。
大人になり社会に出ると、頭がいいかどうかは「勉強ができる=頭のいい人」ではなくSQ(社会的知性)も関係してきます。
社会的知性・・・複雑な人間関係を生き抜く社会性や社交性、自分と他者を効果的につなぐコミュニケーション能力など、人が充実した社会生活を営む上で欠かせない知的資質
この社会的知性の高さは、他人の評価から決まります。
「この人っていつも私のことを考えてくれているな」
「先輩って後輩思いで本当に頼りになる!」
など、相手に評価されることで社会的知性の高さになります。
社会的知性を高めるためには、相手ファーストの考え方をもつことです。相手のために考えて発言をすることや相手のために自分の知識を使うなどです。※この辺は黄金法則の他の部分に関係してきます。
つまり、
・いつも自分中心で物事を考えている人
・自分は周りと違って頭がいい人・できる人と思っている人
・周りの人は頭が悪いからわからない人ばかり
などと自己中心的な考えがある人は、周りから見ても頭がいいとは評価してもらえないということになります。
思考法で参考になったこと
この本で特に、参考になったのは深く考える5つの思考法(道具)です。
思考法では、考えが浅い人が実際に思考を深める方法を具体的に書かれています。
その中で、参考になったものを2つ紹介していきます。
①「客観視」の思考法
ここでは、まずはバカな話し方をやめるために、物事を客観的に見る方法について書かれています。
人がバカに見える原因は、
・根拠が薄い
・言葉の意味・定義を知らない
・成り立ちを知らない
上記3つだと著者は述べています。
私も経験がありますが、仕事で何かトラブルが発生したときに、自分の意見だけを述べてしまい上司からその考えは浅すぎるとご指導をされました。
自分の意見を述べることは必要なのですが、そこに「自分と真逆の意見」や「統計データ」などの根拠が必要とされていました。
人間は認知バイアスがかかっており、自分でも知らないうちに物事を先入観で考えてしまっています。
認知バイアス・・・物事の判断が、直感やこれまでの経験にもとづく先入観によって非合理的になる心理現象のこと
物事を考えるときはいつだって、自分は「認知バイアスにかかっている」と思い客観的なデータを集めようとすることで以前よりも根拠のある話し方ができる人になれます。
②「整理」の思考法
整理ができている=理解ができている人と著者は述べています。
整理の思考法で私が参考になってのは、事実と意見を分けることです。
事実・・・証明可能な客観的な事柄
意見・・・主観的である感想から出発し、他者も納得できるような根拠を持ち合わせたもの
この事実と意見を分けることって意外と難しいです。
特に働き始めてばかりのときは、事実なのか意見なのかをはっきりできない人が多いと思います。
事実と意見をしっかりと切り分けることができるようになって始めて一人前になることができると言っても過言ではありません。
例えば、
「あのお客さんとの話し合いはどうなった? 商品を購入することになった?」
「大丈夫だと思います。」
「大丈夫って……、購入するのか、しないのかが知りたいんだけど。」
「まだ、決まっていません。」
「決まってないんだね……。お客さん、何か言ってなかった?」
「金額のことが不満そうでした。」
「金額のことが本当に不満だと「言った」の?」
「いえ、言ってはなかったと。」
上記のように、お客様が話した事実と意見を切り分けることができずしまいになってしまうのです。
こんな人にオススメです
話すことが苦手な人はもちろんですが、コミュニケーションをとることが苦手な人や思考を深くしたい人にオススメです。
思考を深める道具だけでも読むことをおすすめします。